東日本大震災46

やっとの思いで給油したガソリンで、
距離メーターを気にしながら、
地元の津波被災地に向かった。

知っているはずの街の変わり果てた景色と、
記憶のズレに恐怖を感じて、
行ったり来たり、
立ちつくしたりしながら瓦礫の中に標を探す。

圧倒的な瓦礫の陸に、
大量に投入されたはずの救急隊も自衛隊も、
ドーム球場でミニカーを駆る三歳児に見える。

あの日から、
ひと月半も過ぎてもなお、
米軍と自衛隊の大規模捜索が展開されているが、
現場で活動してきた捜索隊が、
一番もどかしさを感じていると思う。

まだまだ探しきれていないと…。


今でも被災地近くでは、
自衛隊車両で朝夕の渋滞が起きる。

そんな夕方の国道六号線で、
歩道に座り込んみプラカードを掲げる子供たちがいた。

ヒッチハイク
そう思ってカードを覗き込み読んでみる。


『遠くから来てくれた自衛隊の方々、毎日お疲れ様です。お父さんとお母さんを見つけて下さい。お願いします。』


ボートピープルみたいな着なりの三人の子供たちを見て、
自分に出来るだけのことしようと決意した。

2011/4/24 05:31