東日本大震災76

台風15号
もう、言うのが嫌になった。
宮城の被災地の多くは、振り出しに戻りました。
新しい犠牲を生んで。

半年過ぎて、行政にイラつく前に、目の前の現実に押しつぶされそうです。
台風の置き土産で、雄勝の浜には3.11の犠牲者の遺体が数多く打ち上げられました。
直視することの出来ない状態でも、遺族の方にとっては「おかえり」と声をかけられる場所に迎えられるので、心のありかたも変わってくるでしょう。

津波の被害がなかった地区も床上浸水をくらい、「津波をかぶった人の気持ちがやっと理解できた」と、涙ながらに語ります。

津波、余震、台風と全ての被災をした人は、笑いが止まりません。
「笑ってないとやってられねえよ。」
家を失くして、やっと入居した仮設も失くして、避難所に戻った彼に住む場所はありません。
今回の台風で被災した方へ、仮設住宅は用意されないと行政は判断しました。

常に前向きだったコミュニティリーダーから表情が消えました。
リフォームに数百万円。津波で3台の車を失くし、悪路で1台の車をつぶし、台風で2台の車を失いました。
支援でそろった家電も全滅。綺麗にした家に泥水が流れ込み、掃除する気力もなくしました。かける言葉が見つかりません。

停電、断水、陥没、がけ崩れ、土砂なだれ・・・・。
好き勝手に方々を散らかした台風の後片付けを懸命にボランティアが支えています。
まったく人手が足りない。
自衛隊は人命救助のみで当てにならない。
長期化した支援活動に、前線にいるボランティア団体は、例外なく資金難でつぶされそうです。
チーム王冠もガソリンを入れる金さえなくなってしまいました。
学校給食、あったかい布団、暖房器具、生活家電、食糧、水。
待っている人の顔が思い浮かぶのに、届ける物資もあるのに、ガソリンを買うお金がなくて届けられない状況に頭を抱える毎日です。

台風だけじゃない。
アパートを仮設住宅代わりにしていた、借り上げ仮設の人たちも悲鳴を上げている。
県が家賃を負担してくれることになっていたが、90%が未払い状態となっている。
しかも、借主である被災者が立替払いをすることとなっているので、多くの財産をなくした生活困窮者が数十万円を支払い、または、払えない人は家賃滞納となり、いつたたき出されてもおかしくない状況の中暮らしている。

困ったときに国が何とかしてくれるという幻想は捨てたほうがいい。
少なくとも日本とはそういう国だということは覚えておいたほうがいい。
日本人は、いい人が多いが、政治家を見る目がないという自覚をしないといけない。

自立ではなく、独立を考えた方がよさそうだ。

2011/9/28 11:34